暑中見舞いはいつ送る?残暑見舞いとの違い・文例をわかりやすく解説

2025年5月15日

暑中見舞いは、夏の暑さが厳しい時期に、相手の体調を気遣う日本の習慣です。

しかし、「いつ送るのが正しいのか」「残暑見舞いとの違いは?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、暑中見舞いを送る時期や残暑見舞いとの違い、マナーや文例まで、はじめて暑中見舞いを送る方にもわかりやすく解説します。

2025年以降の暑中見舞いの送付目安時期も紹介していますので、毎年使える情報としてぜひご活用ください。

暑中見舞いとは?

暑中見舞いとは、夏の暑さが厳しい時期に、相手の健康を気遣うために送る季節のあいさつ状です。

もともとは直接訪問してあいさつをする習慣が起源とされていますが、現在では、はがきや手紙で送ることが一般的になっています。

暑中見舞いは、ビジネスやプライベートを問わず、相手との関係を深めるきっかけや、目上の方やお世話になった方への気遣いを表す機会としても活用されています。

暑中見舞いを送る時期

暑中見舞いは、夏の厳しい暑さを気遣う気持ちを込めて送るあいさつです。そのため、送るのにふさわしい時期が限られています。

ここでは、暑中見舞いを送る時期の目安や、適切なタイミングについてわかりやすく解説します。

  • 一般的な暑中見舞いの時期
  • 暑中見舞いを送る適切なタイミング

 

一般的な暑中見舞いの時期

暑中見舞いは、梅雨が明けて本格的な夏が始まる時期から、立秋の前日までに送るのが一般的です。具体的には、二十四節気の小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)までが目安 とされています。

この期間は、1年のなかで気温が最も高く、体調を崩しやすい時期のため、相手を思いやる気持ちを伝えるのにふさわしいとされています。

なお、立秋を過ぎると「残暑見舞い」として送るのがマナー とされており、送る時期によって表現を変える必要がある点に注意が必要です。

暑中見舞いを送る適切なタイミング

暑中見舞いを出す際には、その年の立秋の日付を確認しましょう。たとえば、2025年は8月7日が立秋のため、8月6日までに届くように送るのが基本です。

以下の表に2025年から2029年までの立秋と、暑中見舞いの適切な送付時期をまとめましたので、参考にしてください。

西暦(年号) 小暑 立秋 暑中見舞いの送付期間(目安)
2025年(令和7年) 7月7日 8月7日 7月7日以降〜8月6日まで
2026年(令和8年) 7月7日 8月7日 7月7日以降〜8月6日まで
2027年(令和9年) 7月7日 8月8日 7月7日以降〜8月7日まで
2028年(令和10年) 7月6日 8月7日 7月6日以降〜8月6日まで
2029年(令和11年) 7月7日 8月7日 7月7日以降〜8月6日まで

毎年、小暑は7月7日頃、立秋は8月7日頃となるため、送付時期はあまり変動がありません。早めに準備して、立秋前までに相手に届くように心がけましょう。

暑中見舞いと残暑見舞いの違い

暑中見舞いと残暑見舞いには、送る時期や表現に違いがあります。

  • 切り替わりのタイミング
  • 表現や言葉の違い

それぞれの違いを理解し、時期に合わせた適切な表現であいさつ状を送りましょう。

切り替わりのタイミング

暑中見舞いと残暑見舞いの大きな違いは、送る時期にあります。目安となるのは毎年8月7日頃の立秋です。立秋より以前に送るものが暑中見舞い、以降に送るものが残暑見舞い です。

暑さのピークを見舞うのが暑中見舞いであるのに対し、残暑見舞いは、立秋を過ぎてもなお続く暑さに配慮したあいさつとなります。

時期によってあいさつ状の名称や内容が変わるため、カレンダーで立秋を確認してから送るようにしましょう。

表現や言葉の違い

暑中見舞いと残暑見舞いでは、使う言葉にも違いがあります。

暑中見舞いでは「暑さが厳しい時期」や「酷暑の折」 といった、今まさに暑い時期であることを伝える表現が用いられます。

一方で、残暑見舞いでは「立秋とは名ばかりで、連日の厳しい暑さ」「残暑厳しき折」 など、暦のうえでは秋に入りつつも暑さが残っていることを前提とした言い回しが一般的です。

適切な季節感を伝えることで、相手に丁寧な印象を与えることができます。

暑中見舞いのマナー|送るときに気をつけたいこと

暑中見舞いを送る際には、送る時期をはじめ、押さえておきたいマナーがいくつかあります。

  • 送る相手とタイミング
  • 使うハガキや便箋の選び方
  • 送る時期を過ぎてしまった場合は?

それぞれのマナーについて順番に確認していきましょう。

送る相手とタイミング

暑中見舞いは、親しい友人や親戚だけでなく、日頃お世話になっている方やビジネス関係の相手にも送ることができます。

とくに目上の方や取引先に送る場合は、失礼のないよう送るタイミングに配慮が必要です。基本的には、小暑(7月7日頃)から立秋の前日(8月6日頃)までが適切とされています。

真心のこもったあいさつ状は、良好な関係を保つ一助にもなります。

使うハガキや便箋の選び方

暑中見舞いには、夏らしい清涼感のある絵柄や、落ち着いた色合いのデザインを選ぶのが一般的です。

ビジネス関係であれば、シンプルで上品な官製ハガキや専用のあいさつ状を使うとよいでしょう。友人や親族などの親しい間柄であれば、季節のイラストが入ったポストカードや、写真付きのオリジナルデザインでも問題ありません。

大切なのは、相手に不快感を与えないようにすることです。手書きのメッセージも添えると、より真心が伝わります。

送る時期を過ぎてしまった場合は?

もし暑中見舞いの時期を過ぎてしまった場合は、「残暑見舞い」として送るのがマナーです。

立秋(8月7日頃)を過ぎたら、文面も「残暑お見舞い申し上げます」と表現を変える必要があります。基本的な構成は変わりませんが、時候のあいさつや相手の健康を気遣う言葉は、晩夏の季節感に合わせた内容にしましょう。

送る時期に合わせて適切な表現を選ぶことで、礼儀正しい印象を与えられます。

暑中見舞いの基本の構成

ここでは、暑中見舞いの文章を書く際の基本的な構成について紹介します。

実際に暑中見舞いを送る際は、以下の4つの要素が含まれた内容になるよう心がけましょう。

  1. お見舞いのあいさつ
    冒頭には「暑中お見舞い申し上げます」と季節のあいさつを記載します。この部分に句点(。)をつける必要はありません。
  2. 主文(時候のあいさつ)
    主文では、まず「猛暑が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか」「暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか」などの時候のあいさつを述べたあと、自身の近況を簡潔に伝えます。
  3. 結びのあいさつ
    文末には、「くれぐれもご自愛ください」といった相手の健康を願う言葉を添えます。
  4. 日付
    最後に日付を記載します。具体的な日付ではなく、「令和〇年 盛夏」という表現を使用するのが一般的です。

 

暑中見舞いの文例|すぐ使える定番フレーズ

暑中見舞いは、相手との関係性に応じて文面を使い分けると、誠実な印象を与えられたり、親しみやすさを表現できたりします。

  • ビジネス向け
  • 親しい間柄向け

フォーマルとカジュアル、それぞれの場面で使える定番の文例をご紹介します。

ビジネス向け

ビジネス相手への暑中見舞いは、丁寧で簡潔な表現が基本です。季節を感じさせる一文と、日頃の感謝を伝える内容を盛り込みましょう。

文例1:

暑中お見舞い申し上げます

盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。酷暑の折、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

今後とも変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。

令和◯年 盛夏

文例2:

暑中お見舞い申し上げます

連日厳しい暑さが続いておりますが、貴社のみなさまにはご健勝にてお過ごしのことと拝察いたします。日頃のご愛顧に深く感謝申し上げますとともに、今後のますますのご発展をお祈りいたします。

暑さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

令和◯年 盛夏

 

親しい間柄向け

家族や友人など親しい相手には、やわらかく温かみのある言葉を使いましょう。かしこまりすぎない表現で、相手への思いやりが伝わる文面が好まれます。

文例1:

暑中お見舞い申し上げます

暑い日が続いていますが、元気に過ごしていますか?こちらは変わらず元気にしています。
お互い夏バテに気をつけて、元気に夏を乗り切りましょう。

また近いうちに会えるのを楽しみにしています。

令和◯年 盛夏

文例2:

暑中お見舞い申し上げます

夏本番で毎日うだるような暑さですね。体調を崩していないか心配しています。どうか無理せず、ゆっくり過ごしてくださいね。

暑さがひと段落して涼しくなったら、ぜひまた会ってお話ししましょう。

令和◯年 盛夏

 

まとめ|暑中見舞いは立秋前までに送りましょう

暑中見舞いは、夏の厳しい暑さのなかで、相手の健康を気遣って送るあいさつ状です。そのため、送るのにふさわしい時期が決まっています。

一般的には、小暑(7月7日頃)を過ぎてから立秋の前日(8月6日頃)までに届くように送るのがマナーとされています。

送付が遅れてしまった場合は、「残暑見舞い」として文面を調整すれば問題ありません。

本記事で紹介した形式や文例を参考にしながら、季節感のある丁寧なあいさつ状を作成してみてください。暑中見舞いは、相手との関係を深めるよい機会にもなるでしょう。

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