立秋を過ぎた頃、厳しい暑さが続くなかで、大切な方への気遣いを伝えるのが「残暑見舞い」です。
しかし、「残暑見舞いはいつ送るのが正しいの?」「暑中見舞いとの違いは?」と、時期やマナーに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、残暑見舞いを送る適切な時期の目安や暑中見舞いとの違い、贈る際に知っておきたいマナーについて、わかりやすく解説します。
季節の挨拶を通じて、相手との心の距離をぐっと縮めるヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までお読みください。
目次
残暑見舞いとは?いつから送るもの?
残暑見舞いは、日本の夏の終わりに季節の挨拶として送られる慣習のひとつです。
ここでは、残暑見舞いの意味や送る時期の目安について紹介します。
残暑見舞いの意味と役割
残暑見舞いは、夏の終わりにあたる時期、なお厳しい暑さが続くなかで、相手の体調を気遣う気持ちを伝えるための挨拶状や贈りものです。 この慣習は、単に相手を思いやるだけでなく、日頃お世話になっている大切な人へ、自身の近況を伝える役割も担っています。
また、暑中見舞いやお中元へのお礼、あるいはその返信として、感謝の気持ちを丁寧に伝える手段としても広く活用されています。
送る時期の目安は「立秋」から
残暑見舞いを送る時期は、暦のうえの節目である「立秋」以降が目安です。立秋は二十四節気のひとつで、この日を境に季節は秋へと移り変わるとされています。
また、立秋の日付は年によって多少前後しますが、毎年おおよそ8月7日〜8日頃にあたります。残暑見舞いは、この日以降から8月末までに相手に届くように送るのが一般的です。
なお、「暑中見舞い」と「残暑見舞い」を切り替える基準も立秋になるため、たとえば、8月1日なら暑中見舞いを、8月9日なら残暑見舞いを送るのが適切です。
残暑見舞いはいつまでに送ればいい?
残暑見舞いは、立秋(8月7日〜8日頃)を過ぎてから送る季節の挨拶ですが、「いつまでに届けばよいのか」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は、残暑見舞いをいつまでに出せばいいのかは厳密には決まっていません。残暑は「暑さが残っている」という意味であるため、暑さが残っていれば、いつまでも贈ることができるからです。
とはいえ、季節が秋へと進むにつれて気温も落ち着き、「残暑」という言葉がしっくりこなくなる時期が来ます。
そのため、可能であれば二十四節気の「処暑」(8月23日頃)までに、遅くとも8月末には届くように送りたいところです。ただし、地域によっては暑さが長引くこともあるため、その場合は「処暑の候」(9月7日頃)までを目安に送っても差し支えありません。
残暑見舞いの時期を過ぎてしまったら?
もし残暑見舞いの時期を逃して涼しくなってしまった場合は、無理に「残暑見舞い」として送るのではなく、「秋のご挨拶」としてメッセージを伝えるのがおすすめです。
その際は、たとえば「残暑見舞いをはじめ、ご無沙汰しており申し訳ございません」といった一言を添えると、より丁寧な印象になります。
このように、残暑見舞いの時期が過ぎてしまったら、季節感を大切にしながら、相手への心遣いが伝わるような言葉選びやタイミングを意識するとよいでしょう。
残暑見舞いを送る時期には地域による違いもある?
日本は南北に長く、地域によって季節の感じ方にも差があります。そのため、残暑見舞いを送る時期も、地域の気候に応じて多少前後することがあります。
基本的には、「立秋」(8月7日〜8日頃)から「処暑」(8月23日頃)までに届くのが目安ですが、相手が住んでいる地域の気候を考慮しながら、柔軟に判断することが大切です。
また、残暑見舞いとしてギフトを贈る場合は、お中元の時期を過ぎてから手配するのが適切です。 ただし、お中元の期間自体も地域によって異なるため、その地域特有の慣習に配慮することが必要になるでしょう。
ここでは、地域ごとの気候の違いを踏まえた送付時期の目安をご紹介します。
北海道・東北など
北海道や東北地方では、他の地域に比べて涼しくなるのが早い傾向にあります。そのため、残暑見舞いもやや早めに送るのが望ましいでしょう。
ただし、北海道では7月15日〜8月15日の間にお中元を贈るのが一般的です。もしギフトを贈りたい場合は、この期間中はお中元として贈り、8月15日を過ぎてから残暑見舞いとして贈るのが自然です。
一方、東北地方ではお中元の時期が7月1日〜15日頃と早めに設定されているため、立秋(8月7日〜8日頃)以降であれば、残暑見舞いとして贈って問題ありません。
沖縄・九州南部など
沖縄や九州南部では、9月に入っても真夏のような暑さが続くことがあるため、残暑見舞いを8月下旬や9月上旬に送っても十分に季節感が伝わります。
なお、九州地方のお中元は全国的に遅く、8月1日から8月15日頃が一般的です。したがって、残暑見舞いとしてギフトを贈る際は、8月16日以降〜月末までに届くようにするとよいでしょう。
また、沖縄では、お中元は旧盆にあたる7月15日頃に贈る 習慣があります。そのため、残暑見舞いのギフトは全国と同様に、立秋(8月7日〜8日頃)を過ぎてから贈るのが適切です。
関東・関西など中間地域
関東・関西をはじめとする中間地域では、全国的な基準とされる立秋(8月7日〜8日頃)〜8月下旬までに残暑見舞いを送るのが一般的です。
ただし、ギフトを添えて贈る場合は、お中元の時期との重なりに注意が必要です。
関西ではお中元の期間が7月15日〜8月15日とされているため、この期間内であればお中元として贈り、8月15日を過ぎてからは残暑見舞いとして贈ります。
一方で、関東ではお中元の時期がやや早く、7月1日〜15日頃とされています。 立秋を過ぎたタイミングであれば、残暑見舞いとしてギフトを贈るとよいでしょう。
残暑見舞いと暑中見舞いの違い
暑中見舞いと残暑見舞いは、どちらも相手の健康を気遣う日本の夏のご挨拶ですが、送るタイミングや文面、意味合いに違いがあります。
ここでは、両者の違いを整理してご紹介します。
送る意味の違い
「暑中見舞い」は、夏のもっとも暑い時期に、相手の健康を気遣って送る季節の挨拶状です。
「暑中」とは、暑さがピークを迎える時期を意味し、この時期に送るのが「暑中見舞い」になります。
一方、「残暑見舞い」は立秋を過ぎたあと、まだ暑さが残るなかで、相手の体調を気遣う気持ちを込めて送る挨拶です。
なお、暑中見舞いの詳しいマナーや送る時期については、以下の記事をご参照ください。
関連記事:暑中見舞いはいつ送る?残暑見舞いとの違い・文例をわかりやすく解説
送るタイミングの違い
暑中見舞いは、夏の暑さが本格的になる時期、二十四節気の「小暑」(7月7日頃)から「立秋」の前日(8月6日〜7日頃)までに送るのが一般的です。
送るタイミングの目安は、以下のとおりです。
挨拶状 | 送る時期 |
---|---|
暑中見舞い | 小暑(7月7日頃)〜立秋前日(8月6日~7日頃) |
残暑見舞い | 立秋(8月7日〜8日頃)〜処暑(8月23日頃)、遅くとも8月末まで ※地域によっては、処暑の候(9月7日頃)まで送ることも |
このように、立秋(8月7日〜8日頃)を境に「暑中見舞い」から「残暑見舞い」へ切り替えるのが、季節の挨拶としての基本的なマナーとされています。
「暑中見舞い」「残暑見舞い」にふさわしい挨拶文の表現の使い分け
暑中見舞いと残暑見舞いでは、挨拶文の冒頭や結びの表現にも、それぞれの季節感に合った言葉遣いが求められます。
たとえば、暑中見舞いでは、以下のように真夏の厳しい暑さを意識した挨拶が適しています。
- 「暑さ厳しき折、皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。」
- 「連日厳しい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか」
一方、残暑見舞いでは、暦のうえでは秋に入っていることを踏まえつつ、暑さが残っている季節感を表す表現が一般的です。
- 「立秋とは名ばかりの暑さが続いていますが 、元気でいらっしゃいますか」
- 「暦の上では 秋ですが、今年の夏をいかがお過ごしでしょうか」
それぞれの挨拶文は、送る時期や相手の状況に合わせて選びましょう。
なお、残暑見舞いの詳しい書き方については、以下の記事をご参照ください。
関連記事:残暑見舞いの書き方ガイド|基本構成と相手別の文例・マナーまで解説
贈りものを添えるなら、どんなギフトが喜ばれる?
残暑見舞いは、通常は手紙やはがきを通じて相手への気遣いや感謝の気持ちを伝えるものですが、お中元のお礼や、暑中見舞いへの返信として感謝の気持ちを込めたギフトを添えるのも心のこもった素敵な方法です。
ここでは、ギフトを贈る際に気をつけたい価格帯や選び方、マナーについてご紹介します。
価格相場
残暑見舞いに添えるギフトの価格は、相手との関係性によって変わってきますが、一般的には3,000〜5,000円程度を目安にするとよいでしょう。
たとえば、親戚や友人、職場の同僚など、気軽に贈れる相手なら3,000円前後が適当です。一方、取引先や目上の方など、フォーマルな関係性の相手には、5,000円以上の品を選ぶこともあります。
ただし、あまりにも高価すぎるものはかえって相手に気を遣わせてしまうため、相場に合った「ほどよい贈りもの」を選ぶことが、相手への思いやりにもつながります。
贈りもの選びのポイント
残暑見舞いにぴったりなギフトを選ぶには、いくつかのポイントを押さえておくとスムーズです。
喜ばれる贈りもの選びのポイントは、以下のとおりです。
- 冷やして美味しいもの:ゼリーやフルーツジュース、水ようかんなど、ひんやりとした口当たりがうれしいギフトは、残暑の厳しい時期に喜ばれます。
- 季節感があるもの:涼しげな見た目の和菓子や洋菓子、旬の果物など、夏らしさを感じさせる品物は季節の挨拶にぴったりです。
- 日持ちするもの:賞味期限に余裕のある焼き菓子や常温保存できる飲料などは、相手の負担になりにくいでしょう。
夏の残暑にふさわしいものを選ぶことで、あなたの心遣いが伝わるはずです。
のし紙・表書きのマナー
残暑見舞いとしてギフトを贈る際には、「のし」を付けるのが一般的なマナーです。
のし紙は、紅白の蝶結びのものを使用するのが基本です。
また、表書きには通常「残暑御見舞」と記しますが、贈る相手が目上の方の場合は、より丁寧な表現として「残暑御伺い」とするのが望ましいでしょう。
のし紙や表書きのマナーにも気を配ることで、相手への敬意がよりいっそう伝わります。
まとめ|季節のご挨拶として、残暑見舞いを上手に活用しましょう
残暑見舞いは、ただの形式的な挨拶ではなく、相手への思いやりや感謝の気持ちを伝える、日本の大切な文化です。厳しい暑さが続くなかで相手の体調を気遣ったり、日頃の感謝をさりげなく伝えたりすることで、人との距離がぐっと縮まり、信頼関係の構築にもつながります。
心のこもった季節のご挨拶で、今年の夏の締めくくりを丁寧に飾ってみてはいかがでしょうか。
なお、残暑見舞いのギフトを贈る際には、「アンリ・シャルパンティエ」のギフトもおすすめです。
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